まだ、時代遅れの4P思考?4C視点にどう変えられるか、が超重要!

変化の激しいこのご時勢。どうやらマーケティングというとまだSWOT分析や4P分析などと言っているようですね。
それって古典じゃないの?と思いつつ、基本が重要と思いまして現代版にアレンジして再確認していきましょう、という回です。結構お硬いです、今回は(笑)

 
まずおさらい、「4P」「4C」の考え方です。
 

企業のオラオラマウンティング理論 4P分析

エドモンド・ジェローム・マッカーシーが1960年に提唱した4P分析ことマーケティングミックス。
1960年代っていったらアメリカでは公民権運動、月面着陸、そしてケネディーが43歳で大統領選出され暗殺された年です。
 
ちょうどその頃の日本は、東京オリンピックが64年に開催され、約20年続く超高度経済成長期の真っ只中。
製品を作れば売れた。ちょっと機能を追加すれば売れた。技術先行でがんがん新商品を開発していたそんな時代。
もちろん、インターネットもスマートフォンもSNSも無いです(笑)

 
で、その時代に産声を上げた「4P分析」の基本は
・Product(製品)
・Price(価格)
・Place(販売ルート)
・Promotion(販売促進)
です。
 
基本的に競合他社との差別化をはかりましょう、というアイディアのもとの分析方法です。
4つのポイントを抑えて多角的に自社と商品を見て戦略を立てる事ができました。
 
今見ると凄いですね。企業のオラオラ感が凄い。
ユーザーの思考が全く考慮されていない。商品を開発して流通に載せて、価格をつけて販促すれば売れる。
そんなことある?そうだったんでしょうね、昔は。
 

ユーザー目線の分析が必須になる 4C分析

で、これじゃあ今の情報社会に対して分析、戦略立案ができないよ、というので開発されたのが「4C分析」。
1993年、アメリカのノースカロライナ大学マスコミ学科教授、ロバート・ラウターボーンが提唱しました。
先進的ですね。1993年といえばアップルのマッキントッシュがブイブイ言わせていた時代です。その2年後にwindows95が発売されマックが落ち目になるのですが。ネットが一般的な表舞台に登場する一歩前という感じですね。研究者や企業家たちにはネットが世界をつなぐ現代が垣間見れていたのかも知れません。
 
さて、徹底した顧客目線の分析に移るべきと考えた「4C分析」は、
・Customer Value(顧客にとっての価値)
・Cost to the Customer(顧客の負担)
・Convenience(入手の容易性)
・Communication(コミュニケーション)
です。
 
この4つを見てぱっと思いついたのがGoogleとfacebookでした。
全ての項目に対して満点を上げてもいいのではないでしょうか?
あ、amazonもですね。
 
 ●Google 
・Customer Value(顧客にとっての価値)
「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」

Googleが掲げる10の事実もチェックするといいと思います!

・Cost to the Customer(顧客の負担)
実質0円で使い放題!
有料サービスでもっと使える!
 
・Convenience(入手の容易性)
インターネットがあれば誰でも
 
・Communication(コミュニケーション)
何でも載っているFAQ、カスタマーセンター、チャットなどなど
 
 facebook 
・Customer Value(顧客にとっての価値)
「Bring the world closer together(世界の絆を強める)」
「友人・家族・グループをつなぐサービス」

・Cost to the Customer(顧客の負担)
0円で使い放題!
広告で収益化

・Convenience(入手の容易性)
インターネットがあれば誰でも
スマホがベスト

・Communication(コミュニケーション)
コミュニケーション=facebookです
 
ちなみに、amazonの創業者で現CEOのジェフ・ベソスはスタートアップ前に、以下の有名な図をファミレスのナプキンの裏に書いたそうです。

ジェフ・ベソスが走り書きしたナプキンの図
ここの円の右側にcustomer experience(顧客体験)と書き込んでいるんですね。
一番重要なのは「顧客にとっての価値」だと明言しているわけです。1995年にサービスインしたamazonも、もしかしたら提唱されて2年経っていたであろう4C分析を参考にしたのかもしれません。その後ユーザーコミュニケーションを充実するためにレビューの強化等を積極的におこなっています。
 

まとめ

ネットでマーケティングと検索すると結構化石となったマーケティングメソッドがいろいろと出てきます。
インターネットとスマートフォン、SNSの登場で世界は、本当に、全く違う次元に放りだされたような状況です。
そこで化石のようなメソッドを使っては勝ち目がありません。
 
今後の企業戦略にユーザー思考や体験は必須の要素です。
マーケットイン(4C)が最重要で、プロダクトアウト(4P)は愚の骨頂です。プロダクトアウトはほぼ失敗します。
ユーザーにとって何が求められているのか、それをどうやって提供できるのかを考えるのが現代の思考方法です。
 
そこから、フリーミニアムやサブスクリプションといった従来の常識にとらわれない考え方が発生していったのですね。
こういった用語や解説は別の機会に行いましょう!