嵐のSNS進出で見えてくる、デジタルブランディングの重要性
公式ファンクラブ数 288万人を超す超大型アイドルグループ「嵐」SNSにデビューしました。
頑なにSNSでの露出を避け続けていたジャニーズ事務所がデジタルマーケティングに進出しました。
20周年記念の2019年11月3日にyoutubeでのライブ配信を50万人が視聴し、facebook、twitter、インスタグラム、TikTokまで開設したのです。
様々なニュースに取り上げられて盛り上がっていますね!
目次
〇アッという間に日本の有数アカウントに!
では、日本のアーティストでどれだけ嵐SNSデビューのインパクトが強いかを調べてみました。
調べた数値は2019年 11月時点の「youtube」におけるチャンネル登録数です。
AKB48が13年かけて作っていた数字を数日で追い付け、追い抜けの勢いです。
世界を股にかけ8,000万枚のCDセールスを持つBzですら32万人の登録数しか持っていないのは意外でした。
それと、若者狙いのエグザイルがSNS活用全然していないのはもったいない。。。芸能事務所によっては、炎上の恐れからSNSを自粛させているところもあるのでしょうが。
〇調べていて違和感、音楽業界の構造の変化
上記のアーティストはCD売上ランキングを参考にしてピックアップしたものです。
なので、CD売上とは相反するネット=フリーでの楽曲配信、情報発信に関して敵対する立場の方たちなんですね。
CDって何?の現代では米津玄師やONE OK ROCK、RADWIMPSなどの今を輝くアーティストは入っておりません。
ちなみに
radwimps 2009年 149万人
米津玄師 2010年 449万人
ONE OK ROCK 2011年 268万人
とかなり大きなチャンネル登録数を持っています。
つまり、2019年の現状ではレコード・CD売上ランキングは何の価値も持たなくなっている、という事ですね。
オリコンのランキングって何?という感じです。
CD売上、配信売り上げで稼げなくなったアーティストたちがどこにキャッシュポイントを持つかというと、ライブでの興行収益、グッズ販売、独自ブランドの展開、楽曲提供がメインサービスになります。
〇海外のSNS活用は圧倒的!!
ではレコードCD販売ではなく実質の年収ランキングでのSNS活用はどうか?
日本には収入の公開がなかったので海外のものを参考にします。
2018年年収ランキング(フォーブス)
https://forbesjapan.com/articles/detail/24251
もう、日本と数字が二桁違う。。。
徹底したSNSメインスタンスがすごい。
〇各アーティストのデジタル活用度の差が大きく開いている
すでに熱烈なファンを抱えていてライブ集客が安定しているアーティストはあまりSNSへの対応をしていません。
U2なんてすごいですね。
しかし、ユーザーは新しい事を求め続けるものです。
いつまでも「あの鐘ーを~」なんて歌っていても見捨てられてしまいます。つまりライブにはいつも見知った顔しかいない現象が起きます。(それはそれですごい事ですが)
アーティストはブランディングを高めるため、SNSを通じて常に新しいことに、比較的安価で挑戦すことができます。
滑ったって従来ほどコストはそんなかかりません。CDなんかの物を作りませんから。
果敢に、”自分らしさ”を出したイノベーションを進める。
ユーザーはアーティストの姿勢に共感しさらにライブやグッズを買ってくれる。
そうすると規模が大きくなり、拡散が進み新しい事がさらにできる。
めちゃいいスパイラルになる。
従来のファンがシェアをしてくれれば、新しいユーザーにも拡散され、
「今の曲はいまいちだけど、ちょっと前の曲はいいじゃん!」
「古い曲は知ってたけど、今の曲は超クール!」
「似たテイストのアーティストが好きだから、こっちも好き!」
と”共感”され口コミが広がっていきます。
いい曲(サービス、商品)の開発も大事だが、ブランド力を高めてファンを作ること、もとても大事になってきました。
しっかりとアピールして知ってもらうことが重要なんですね。
嵐はすでに288万人(累積)の会員がいたので、それほどSNSに出てくる必要はなかったのだと思います。
でも、イノベーションを起こし続けなければユーザーも飽きてしまいます。事務所主動でSNSの荒波の中で揉まれて、さらなる次元に到達してほしいものです。
2020年で活動休止ですが。。。(その対策だったのかな?)
〇企業のブランディング・発信もデジタルにシフトするべき
企業もアーティストと全く同じです。
SNSでの拡散をさせなければ商品、サービスは知られることがありません。
知られない、という事は買ってもらうことはできません。
それだけでなく、ユーザーとのダイレクトなコミュニケーションが可能になります。
商品・サービスに対する評価や批評がダイレクトにわかればイノベーションが可能になります。
不満点がツイッターの質問箱で回収できれば商品改善に生かせます。
若年層にはリーチ方法がデジタルにしかないものです。しかも、年々リーチできない人間が増えています。テレビ持っていない、PC持っていない世代なんてざらにいますね。
SNSは拡散させるだけでなく、ブランド力を高め、イノベーションのきっかけになる有用なツールです。
アーティストも企業もしっかりとデジタルシフトしていかなければ生き残りも難しくなるでしょう。