打倒LINEを掲げ結託する大手キャリアは、データベースを舐めていませんか

[特報]NTTドコモとau、ソフトバンクが打倒LINEで結託
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/00076/

特報!と銘打たれた、こちらの記事を拝見しました。
コミュニケーションアプリとして日本を中心としたアジアでは破格のシェアを持っているLINEに対抗し、携帯大手キャリア三社が結託。

その構想とは、電話番号宛のSMS(ショートメッセージサービス)機能を刷新し、長文や動画の送信に対応させ、またキャリア間の違いで絵文字が文字化けする現状に対策すると言うもの。

どうにも、「通信網の覇者たる自分たちがスマホアプリのマスターピースになっていないのが気に食わない」という思いをひしひしと感じます。
SNS周りの反響をみても、「今更なにができるんだ?」「打倒が目的とか言ってるようじゃムリでしょ」とかなーり否定的。書いている私もそう思います。
覇権をとるなら7年遅く、対策を講じるなら5年遅かったと思わざるを得ません。

LINEがリリースされたのは2011年の春です。当時のモバイル世相としては(多少前後してるかもしれませんが)「iPhone4S」「Xperia acro HD」などが活躍していた頃です。
iPhoneはまだSoftbankからしか出ておらず、東日本大震災によって既存の通信網が大きく失われ、090番号に依存しない通話手段について意識が向いた年でした。

LINEがコミュニケーションアプリの覇権をとれたのは、「無料で使用できる機能の拡充」と「あくなき品質改善」の成果だと思います。
ただのチャットツールなら、他にもいくらでもありました。しかし、LINEはチャットに無料通話機能をつけ、スタンプを送り、グループを作成し、アルバムを作れるようにしました。
無料でほとんどの機能を使えますし、そうでないとキーとなる「10代の女子」は使ってくれません。
また、機能改善を繰り返し煩雑だった「機種引継ぎ」「異なるOS間の移行」にかかる手間を少しづつ、ですが確実に削減していきました。

「ユーザーに快適な体験を提供し、スタンプなどで新鮮な話題を提供できればもっとも使用されるアプリになれる」「膨大なユーザーを抱え、インフラとしての地位を確立できれば、そこに至る投資を遥かに上回る利益が得られる」という、データベースへの確固たる確信があったように感じます。

果たして、打倒LINEを掲げるサービスに、その確固たる確信はあるのでしょうか。
先行きを見守りたいと思います。