マーケティングってなに?フワッとした概念を、具体的な知識に変換しよう!
2017年”マーケティング”という言葉がよく聞かれるワードになりました。
「マーケティングオートメーション」「マーケティングプラットフォーム」「デジタルマーケティングエキスポ」などなど。
でも、本当の意味でのマーケティングってなんでしょうか?
実は大学の一学部になるようなふか~い深い話があるのですが、実務を行う中でわかってきたマーケティングを簡単なセミナーのようにまとめてみました。実務が元となっているのでわかりやすく書いていきたいと思います。
●偉い人のマーケティング名言
マーケティングと言うとアンケートを使った市場調査や広告に代表されるプロモーションに目が行きがちですがマーケティングとは実際にどういったことでしょうか?
wikipediaでマーケティング検索すると
マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。
う~ん。難しい。
これでは企業で行う全てのことが対象になってしまい、企業=マーケティング?と漠然としたイメージしかうかびません。
では、もっと簡単に解説しているのはマーケティングの神様といわれている、フィリップ・コトラーさん
「マーケティングの役割とは、たえず変化する人々のニーズを収益機会に転化することだ」
「マーケティングは生産物を処分するための技術などではなく、本物の顧客価値を生み出すための活動で、顧客の生活向上を支援する概念でもある」
ふむふむ。何となくはつかめそう。
つまりマーケティングとは顧客のニーズを吸い上げて価値を生み出すための活動となるのですね。
ではもう一人、マネジメントの大家、ピーター・ドラッカーさん
「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」
シンプル。だけど難しい。。
ドラッカーさんは、まず「顧客に聞け」と書いています。顧客を知り尽くし自分の強みを付加することで販売が必要なくなり、あるセグメントの顧客が強烈に欲しいと思うことが理想だ、といっています。
つまりマーケティングとは
- 顧客を理解し
ニーズ(欲求)を探し出し
新しい価値(商品、サービス)を
提供すること
だと考えられます。
顧客(人)がいないと成り立たないことなんですね。
広告ツールや顧客解析ツールの革新がものすごいスピードで進んでいるこの時代に、一度立ち止まって考え直してみるにあたいする概念ですね。
●実務で見えてきたマーケティングの全体像
ここまでで概念のことはちょっとわかってきたかと思います。
それでは一回学問的な考察から離れて、実務でのマーケティングの全体像を見てみましょう。
簡単に分けるとと三つのフェーズに分かれます。
①調査フェーズ(0)
②製品、サービスの開始フェーズ(0~1)
③販売フェーズ(1~100)
①調査フェーズ
調査フェーズではまだ商品やサービスが決定していないアイディアの状態です。つまり、卵の状態。
大体の形は決まっているけど中身が見えていないので市場やニーズなどの分析に作業が当てられます。
この時に利用するのが商品(サービスも含めて)のニーズをアンケートで調査したり、市場規模のデータを取ったりします。
しかし、概念で出てきた「顧客理解」や「ニーズ(欲求)の把握」はアンケートなどの定量調査(別ページで説明)ではなかなか調査できません。
見込み顧客と膝を突き合わせて「何が必要か」「不満点はどこか」「改善するならどこか」「いくらなら買うか」などを調査しなければいけません。
ここがあまり理解されていない部分で、どうやったらいいかわからない作業なんですね。
②製品、サービスの開始フェーズ(0~1)
①調査フェーズで市場や競合、顧客のマインドを理解しました。商品の開発には顧客にニーズがもっとも反映されるパートです。
商品の見え方、味、感触、匂い、使い心地、アクセス、接客、感情面での訴求、ステイタス感などなどなど。
できるだけハッスル(障害)をなくしユーザーにとってスムーズに使える、感動させるような商品にすることが求められます。
それを開発者だけで行うことはできません。開発していると先入観が強く働きますし、実際に使用する立場にいない人間が制作側に回ることも頻繁に起こります。
(子供用のおもちゃメーカーに独身の製作者は絶対にいますよね)
つまり、外部にいる販売ターゲットと一緒に商品の開発を行わなくては「販売を不要にする」ことなどできっこありません。
具体的なマーケティング方法としては
・フォーカスグループの開催
・試用調査
・エスノグラフィー(試用しているユーザーをじ~っと見るとどこでハッスルがあるかわかる)
最近ではアジャイル開発と共にメジャーな言葉になりつつある「リーンスタートアップ」がこのフェースにあたります。
商品の開発にはマーケティングがもっともっと浸透するべきだと思っております。
③販売フェーズ(1~100)
③販売フェーズに関してはよく行われており、日常的な施策に落とし込まれている場合は多く見られます。
例えば
・SNSでの認知獲得を狙ったマーケティング
・各種広告での商品認知を狙ったマーケティング
・インターネットで検索順位の向上を狙ったSEO対策
・リアルで行われるイベントやキャンペーン
・チラシやDMなど不特定多数のユーザーに認知を高める施策
・顧客体験などを重視したブランディング施策
などなどなど
一度は検討、実施をしたことがあるフェーズではないでしょうか?
様々な媒体や手法を持ってユーザーの認知を獲得し、リピートしてもらう施策が③販売フェーズです。既存の商品をどういう切り口で見せるか、が問われます。
しかし、スティーブ・ジョブスも「どんなマーケティングでも、駄作をヒットさせることはできない」と言っておりました。
マーケティングとは商品にひも付き商品力がある前提で進んでいきます。
既存の製品も時間と共に変わっていかなければいけません。
商品を手にするユーザーのハッスル(不便、不満)が解消されるように常日頃から努力が必要です。進化し続ける商品だからこそ③販促フェーズが生きてきます。
つまり、③に来たと思ったら①に立ち戻る必要がマーケティングにはあるようです。
●まとめ
さて、マーケティングとは何か、を探してきた今回ですが、マーケティングとはなんだったでしょうか?
そう、顧客との顧客を理解し、ニーズ(欲求)を探し出し、新しい価値(商品、サービス)を提供することでした。
商品の開発準備をし、開発し、認知を獲得していく全体のプロセスをマーケティングといいましたね。
企業はもっと販促段階の前に目を向け、常に顧客との対話を行い商品を研鑽していく必要がありました。
次回からは具体的な施策内容を詳しく解説していきます。