顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)とは
最近のトレンドサーチに「顧客体験」や「カスタマーエクスペリエンス」というワードが上がってくるようになってきました。
“顧客目線”や“顧客満足”の親戚とかでしょ?と思っているあなた、顧客体験はマーケティングの大元にある重要なアイディアです。
そこで今回は“カスタマーエクスペリエンス”とは何なのかをできるだけわかりやすく解説したいと思います。
顧客体験を理解する姿勢がないと企業は成り立たない
昔から「顧客理解から商品作りを始めろ」とか「顧客満足を高めてリピートしてもらおう!」というビジネス用語を聞いたことはあるかもしれません。
昔のビジネス(と言っても、15年くらいしか前ではありませんが)はお客さんが得られる情報が少なく、商品として完成してから広告や店頭で見ることが企業とお客さんの接点でした。
企業としては「商品を作って買ってもらうこと」が一番重要なことだったんですね。
つまり、お客さんとのつながりは「点」です。
重要な「点」を過ぎてしまえば後はどうでもいい(とまではいきませんが)できれば接触を控えたいなんて考えもあったので
繋がらないカスタマーサポートの電話や
購入までは親切だった営業が手のひらを返したように冷たい態度
保障証はあるのにどこに連絡していいかわからない
などが発生していたわけです。あなたはそんな体験したことありませんか?
そこに顧客の体験を理解しよう、根本的に改善しよう、という思考はありません。
しかし、手のひらの上で、簡単かつ正確な情報を手にすることができる現代のユーザーは、商品を購入する前の企業の姿勢や購入後のアフターフォローなどを簡単にわかるようになったわけです。つまり顧客を理解していない態度はすぐにわかるようになってしまうようになったのです。
そうすると商品と合わせて、接客だったり、アフターフォローだったり、企業の価値観=ブランドだったりを気にするようになりました。つまり商品の周辺にあるソフトな事、を重要視し始めたのです。
友達や人が使っているのを見て欲しくなり
その場でスマホを使って検索、
何度かサイトを見て、店頭でも説明を受ける。
さらに商品のレビューを見て、デメリットも理解し
競合他社の商品やサイトも見る。
比較した結果、店頭で店員さんが気に入り購入決める。
こういった複雑な思考変化があり、一人ひとりの思考や趣味、行動原理が大きく違っていく時代に我々はビジネスを成り立たせなくてはいけません。
商品の差別化だけでは足りない、ソフトな部分のケアが本当の差別化になるのです。
そのソフトな顧客への思いやりが“点”ではなく“面”で展開される。それが理想です。
その理想を具体化し実現化する最初の一歩が「顧客体験を理解すること」なのです。
顧客体験とは、顧客の声を聞き、感情を理解すること!
商品だけでは差別化が難しくなってきている、ということはわかってきました。
では、実際に顧客体験とは何でしょうか?
世界的なマーケティングリサーチ企業であるガートナー社の定義は
「顧客の期待どおりの、または期待を超える顧客対応(顧客との交流や対話)を設計・提供することにより、顧客の満足度、ロイヤルティ、支持を向上させる取り組み」
難しい。。。
直訳というのは本当にわかりズらいですね。。。
しかし、ここでくじけてはいけません。
ユーザーが商品を知り、興味を持ち、比較し、問い合わせ、購入し、アフターフォローを利用し、友達に伝える
ここまでをユーザーの期待値以上にデザインし、商品の付加価値として引き上げる努力のことを言うと定義しています。
“点”での勝負ではなく、継続的な“面”での顧客支援をし続ける必要がある、ということですね。
そのためには、日常的に顧客に声を聞き組織内外を磨き続ける、という地味ですが大事なマーケティングが待っています。
ユーザーが困っていることに耳を傾け改善する。
直接購買や利益を生まない施策も、ユーザーの購買行動の一部であれば積極的に取り入れ顧客体験の質を向上させる。
そういった地味な作業が必要になるわけですね。
「顧客の声を聞いても革新的なものは産まれないよ」
「なかなか顧客が何を思っているかわからない」
「ヒアリングをした後のブラッシュアップの仕方がわからない」
と思っている方は、ぜひフォーカスグループを活用ください。
自分たちの考え方とはまったく違う視点で顧客体験を理解できる絶好の機会となります。