日本一マナーのいい逗子海岸!大変革後の様子をマーケティング視点で分析!

9月の三連休前に休みをもらって、下田に家族とバカンスに行ってきました。
いつも行くリゾートホテルがあるのですが、そこには室内外のプールがあり、家族で遊んでお風呂に入って、とリゾートを満喫してきました。
 
基本的に娘と息子が小さいので、プールで遊ぶのですが、近くのビーチでイベントがあるということで、お昼を出店で食べようと昼下がりに隣の海岸まで出かけました。
 
いや~、夏のビーチって本当にタトゥーの品評会か、って感じですね。
昔はゴリゴリ偏見持っていたんですが、イギリス留学して偏見は吹っ飛んでいる私でも(社会的に規制が沢山あるのに、なんでするのかしら?とは思いますが。。)、ファッションタトゥーだけでなく、完全な和彫りの方もいらっしゃって、う~ん。
子供に自由に遊びに行っておいで、とは言い難い雰囲気ですね。
 
さてそんなことを考えていたら、そういえばタトゥー禁止、バーベキュー禁止、鳴り物禁止など若者のビーチでの楽しみを全部取っ払ってしまったビーチが話題になったよな、と思いました。そう、逗子海岸です!
逗子海岸海水浴場のサイトはこちら!
 
2014年に脱若者宣言して、ファミリーにやさしいビーチに移行したんですね。
なんか裁判とか起こっていたとか聞いていたのですが。。。
 
では現在どうなっているかマーケティングの観点から見てみましょう!(余計なお世話だw)

 
 

底を打った感がある逗子海岸。その他は下がり続ける。

簡単に影響を見るには来場者数がわかりやすいですね。
おお、逗子海岸はサイトに力を入れているのがわかります♪
来場者数まで載っております。しかも今年の来場者数も書いております!はやい!
 
神奈川県が2017年度の各海水浴場の来客数をまとめておりました。来客数の多い海水浴場をピックアップして勝手にグラフを作ります。

神奈川県 主要海水浴場 来場者数の変化(2010年~2017年)
あわわ、江ノ島の急激な減少がヤバイ。。。あそこには旅館もあるしホテルも沢山あるのに。。
水質が悪いから若者しか行かないよね。で、若者は愉しみが細分化してるからわざわざ海行ってナンパするの?美味しいのそれ?って感じかしら(ステレオタイプがひどい)
 
全体的な落ち込みが凄いですね。酷暑、冷夏と季節の影響をもろに受けているのですが、毎年平均10%の下落をしております。
関連企業の売上もがんがん減少していることでしょう。
 
比較対象として前年比の来場者数も作ってみました。
 
神奈川県 主要海水浴場 来場者数前年比(2011年~2017年)
2013年と2017年の猛暑以外は減り続けています。
その中で逗子海岸だけは頑張って2015年、2016年と増加させています。減少も底を打った感じですかね。
実は2018年の情報も逗子海岸だけ出ていたのですが364,000名と前年比124%の増加だったんですね。今年は暑かったからほかの海岸でも同様かもしれませんが。
 
新しいコンセプトを立てるとリピーターがくるので、減少に歯止めがかかるようです。
なにもしないと・・・、どんどん減り続けますよ。
 
 

クリーン、安全が見える明確なビジョン

2014年に大きなチャレンジをした逗子海岸ですが、どんな変化をしたのでしょうか?
一言でいうと、「ファミリーさんいらっしゃい♪」です!
 
もう、素晴らしく徹底してます!
 
 ×砂浜でのバーベキュー・飲酒
 ×砂浜でのスピーカー等拡声装置の使用
 
はい、ビーチでBBQしてお酒飲んでバカ騒ぎしたい若者はこないでね、ということですね。
第一BBQは浜辺が汚れるだけでなく、基本的に食材も持ち込みになるので海の家などにもお金を落さない。
飲み物も食材と一緒に持ってくるから、これも現地にお金が落ちない。
酔っ払って態度悪くなるから、治安が悪くなる、タバコを吸う。
 
 ×他者を畏怖させる入れ墨・タトゥーの露出
 
入っちゃだめよ、ではなく露出しないでね、です。隠せばいいのです。
これもファミリー層が訪れやすくする非常に効果的なものですね。
 
 ×遊泳区域内での喫煙

これはすばらしい!
浜辺に打ち上げられるゴミで一番多いのがタバコのフィルターと聞いたことがあります。いま全世界で話題になっているプラスチックゴミと双璧の海洋汚染です。
 
第一、喫煙者が隣でモクモクしているビーチなんて楽しみが半減します!
自分の海嫌いは、何でもありな感じが凄く嫌いだからです。
 
お子さんを連れておじいちゃん、おばあちゃんと一緒に行くのに、
 酔っ払いがタバコをすぱすぱして、音楽がんがん入り乱れている所と
 ある程度静かで、マナーを守った人たちがいるところ
ではどっちがいいでしょうか?
 
自分は圧倒的に後者ですね。
 
そして、お子さん用にイベントも用意してますよ~
・子ども用ライフジャケット無料貸出
・ビーチ用車いす無料貸出(おじいちゃん、おばあちゃんきてね~)
・子ども向けファミリーイベント
 マリンスポーツを楽しもう(7/23.24)
 とびうおクラブで遊ぼう(7/25.31)
 ずぶ濡れ決戦!水鉄砲ウォーズ(7/26.27)
 ライフガードと遊ぼう(8/2.3)

で、最後にこれ
・逗子海岸ウォーターパーク
逗子海岸ウォーターパーク
来年もやっていたら確実に子供連れて行く!
これ結構落ちるから水質がキレイなところでやらせたいんですよね。
東京湾のお台場とかちょっと無理っす。
 
 

たぶん以前より潤っていると思うわけ

つまり、伊豆海岸はお金を持っている高齢者と一緒に若夫婦が子供を連れてくる、が理想的なんですね。
で、試算をしてみました。
 
レジャーに使う金額はこちらを参考にしてみました。
レジャー出費統計 by 総務省統計局

こちらの情報はパック旅行なので日帰りで考えると、十分の一かな、と勝手に試算。
おじいちゃんとおばあちゃんはどっちかの場合が多いかな、と思い0.7倍にして間引き。子供の頭数をカウントしていないので両親の使用金額も0.7倍して減らしました。
 
来場者の消費金額
2011年は54万人来場して13.2億円。2018年は36万人きて11.9億円。マイナス1億円くらいです。悪くない数値ですね。
かなり乱暴ですが、周りの収益はちょっと減っているくらいだと思います。
 
なぜならゴミの撤去やライフセーバーの増強、セキュリティー対策などのコスト削減はできていると思うので、負担は減って収益が上がるという素晴らしいスパイラルができているのではないかと、勝手に想像します。
 

まとめ

来場客が減っても上質なユーザーを引き止めるビジョンを立て、施策を徹底することで固定客化ができます。
ファミリー層は一回気に入ったら行き続けるので、いいターゲットですね。
 
反対にこのビジョンを神奈川県内の比較的近い海岸が採用しても、多分上手くいきません。
だって先に逗子海岸がやっているからね。もっと徹底できるなら別ですが。
 
意図的にか、偶然ビジョンを策定したのかはかわかりませんが、他の海水浴場はどんどん客数を落していくでしょう。
逗子海岸は右肩下がりかもしれませんが、他の海水浴場よりもだいぶ緩やかになるのではないでしょうか。