独自ブランドを構築するために必要な「ブランドボイス」とは?概要・重要性について解説します
インターネットの普及により、誰でも手軽に新しい情報を収集できるようになり、SNSの影響から、個人のブランド力も飛躍的に上がりました。
それにより個人の売上が企業を上回るといった大きな変革が起きています。
競争が激しさを増し、市場の中で奪い合いが始まり、不確実性の高いこの時代、企業はこれまで以上に努力して他の企業から抜きん出る必要があります。
そのためには、顧客にアピールし、SEOで注目されるような、自社独自のブランドボイスを開発するのが一番の近道です。
では今回、「ブランドボイスとは?」「ブランドボイスの作成について」「ブランドボイスの活用した差別化について」の3点でご紹介させていただきたいと思います。
目次
ブランドボイスとは?
ブランドボイスとは、わかりやすく言うと「企業がもつ個性」のことです。
もっとわかりやすく「合コン」で例えてみましょう。
あなたが知人の合コンに参加したとします。
その中に一人、品のある女性でかつ面白い話をする人がいたら、その人の言葉遣いや、雰囲気、人柄などが自然とあなたの記憶にのこりますよね。
これをブランドボイスに当てはめてみると
あなたというブランドは、どのような性格をしているのか?
どのような特徴を持っているのか?
あなたのブランドのスタイルやフレーズは一貫しているのか?
このようなことが全て組み合わさってブランドボイスが生まれます。
では、有名企業を例にブランドボイスを説明します。
ブランド | ブランドボイス |
APPLE (アップル) | 先進的・若い・シンプル・魅力的・利便性がたかい |
STARBUCKS(スタバ) | おしゃれ・表現力が豊か・親しみやすい |
コカ・コーラ | 前向き・情熱的・親しみやすい・現実的 |
これらのブランドは、彼らの個性的なトーンやスタイルを数年にわたって顧客と対話してブランドを構築してきたものです。
大枠としてブランドボイスについて概要は理解していただけたと思います。
では、なぜブランドボイスがこの時代に重要視されているのでしょうか?
なぜブランドボイスが重要なの?
長く続いている企業は、強い個性と明確な目的意識を持っています。
彼らの発信する情報は、確立されたブランドボイスとともに、どこにいても一貫して発信されています。
消費者にブランドを認知してもらうには、一貫性と反復性が必要なのです。
逆に企業の配信する内容や方向性が頻繁に変更されれば、その企業が何を目指しているのか、顧客が正確に理解することは難しくなってしまい、結果、あなたの努力は水の泡となり、より優れたブランドに負けてしまう可能性が出てくるでしょう。
他社のブランドに負けないためにも一貫性を貫いてブランドボイスを続けることが重要なのです。
ブランドボイスはどうやって作成するの?
今までの話を聞いて、ブランドボイスの作成は少し敷居が高く感じるかもしれません。
ただ難しいことではありません。
作成にあたって以下のプロセスに沿ってブランドボイスの準備をしていきましょう。
ステップ1:自社の存在理由と組織全体の目標を見直す
あなたの会社の個性は、企業理念や経営理念の中から簡単に見つけることができると思います。
企業理念からマーケティング活動によってあなたの個性をブランドに結びつけるにはどうすればよいかを考えてみましょう。
例えば、アップル社の故スティーブ・ジョブズが提唱した経営理念は「Think Simple:シンプルを考えろ」です。
多くの方はわかっていると思いますが、スティーブ・ジョブズ時代のアップルは本当にシンプルでした。
iPhoneのデザインもシンプルでボタンの数は最小限。
マニュアルもなしで操作ができるし、iPhoneのラインナップも少数に絞り込み、その世界観や性能、デザインで世界を圧倒する反面、シンプルな分だけ生産ラインも絞り込み、コスト削減や在庫リスクを減らすことにも成功していました。
このように、経営理念とマーケティングを結びつけることで、Apple社のように価値を生み出すこともできます。
ステップ2:自社コンテンツを再確認
すでに配信しているコンテンツやこれから配信予定のコンテンツなど、特に下記の自社で持っている資産(アセット)を再度確認しましょう。
- WEBサイト
- ブログ
- SNS投稿
- 店内看板
- ラジオ広告
上記の自社コンテンツに対して一貫性のあるスタイルやトーン、テーマで配信ができていますか?
顧客に向けて発信している内容は、ブランド価値やブランドの目的に合っていますか?
合っていなければ、どのようにすれば改善できるのかを考えましょう。
ブログ記事やウェブサイトのページ、ソーシャルメディアの投稿、その他のコンテンツなど、最も効果的なコンテンツに注目していくと何が顧客の心に響いているのか、わかるかもしれません。
ステップ3:顧客調査をおこなう
当たり前ですが、ターゲットとなる顧客に対して適した情報を配信していかなければ、顧客は企業に対して興味を示してくれることはありません。
そのために必要なのが、ターゲットとなる顧客を深く理解するということです。
『ターゲット顧客が何を求めているのか?』
『求めているものをどのように表示してもらいたいと思っているのか?』
を細かく把握・理解して求められている情報を発信することで顧客の視線をあなたに向けさせることができます。
ターゲットとなる顧客を深く知るためには、ペルソナといったマーケティング手法で顧客の属性を把握することが重要です。
ターゲット属性が把握できたあとは、その層に向けてブランドボイスを調整していきましょう。
例えば以下のような感じです。
- 30代ママさんをターゲットにする場合、子供と家族をいれた明るく楽しいポップなスタイルや丸い文字にような親しみやすいフォントにする。
- 30代独身女性の場合は、SDGsといった環境を考えた訴求方法や美を演出したスタイリッシュなデザインやフォームにする。
このようにまずはターゲットとなる顧客属性を細部にわたり調査することで、ターゲットに対して認識のズレが解消できよりニーズに合わせたコンテンツを配信することができます。
ステップ4:ブランドボイスチャートを作成する
企業のブランドボイスを定義することができたら、ブランドボイスチャートを使用しましょう。
ブランドボイスチャートとは、簡単に言えば、あなたの組織のブランドボイスをまとめたチャートになります。
これは、コンテンツ(テキストとビジュアル)が一貫して同じ個性を使用していることを確認するための重要な参照ツールで、それぞれの特徴がマーケティングでどのように表現されるべきか、されるべきでないかを説明するような作成になっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
統一したブランドイメージを実現していくためには、ブランドボイスは非常に重要な役割を持ちます。
ブランドボイスが一貫していればいるほど顧客はあなたのことを調べたりするようになり知ってもらうことができます。
では次の記事で「ブランドボイス」を構築した後どのように顧客に届ければいいのかについてご紹介します!
企業の個性である「ブランドボイス」を顧客やユーザーに届けるためにはどうすればいいのか?