Twitterが創業以来「初」の黒字化

喜ばしいのか?そうでないのか?
Twitter社が2018年第4Qの決算を発表し、その中で「創業以来初の」黒字となったことが明らかになりました。
アメリカでのサービス開始が2006年とのことで、実に12年をかけて黒字化したことになります。

Twitter社は何度もサービス終了の可能性や、売却(身売り)の話が持ち上がっていましたので、これは非常に喜ばしいことだと思います。しかし、その裏にはユーザーにとっても株主にとっても手放しで喜べない事情を内包しているかもしれません。

ひとつには、今回の決算資料と同時に公開されたMAU(月間アクティブユーザー)とDAU(日間アクティブユーザー数)が、ともに微減の状況を示していることです。
ご存知の通り、Twitterは日本でこそメインのSNSの位置づけにありますが、日本語以外の言語圏ではユーザー数がほとんどありません。(メインSNSはFacebook)APPLE同様、『日本への依存度の高い』企業であることが明白です。
その日本ではInstagramがSNSのメインに踊り出たものですから、Twitterのユーザー数はどうしても増加が鈍るばかりか、「SNS疲れ」なども手伝って減少してしまっているのです。

さらに、ユーザーサイドとしては今回の増益による懸念が一つ。それはTwitterが繰り返しUIやアルゴリズムの変更を行ってきて、今回で黒字化したことをうけて「今のやり方が正しい」と認識されてしまうことです。
Twitterのクライアントは、現状お世辞にも優れているとはいえない状況で、あちこちで不満が噴出しています。APIが公開されているため、サードパーティが開発した自分が使いやすいクライアントソフトを使用することで対応はできますが、ユーザーにとって使いやすいという方向の改善は、やや見通し不安になったと考えられます。

参考記事
ITmedia
Twitter、増収増益だがMAUは2期連続の減少 初公開のDAUはSnapchatより少ない1億2600万人

Engajet
Twitterが創業以来、初の黒字を記録。使い勝手が「劇的に改善」との指摘もあり