SNSマーケティングを始めるにあたって必要な事 ⑤スムーズな運用を可能にする方法

今回から8回に渡って「SNSを始めるにあたって必要なこと」と題した連載記事を書くこととしました。
全体感の理解と抑えておきたいポイントを盛り込んだ、弊社のノウハウを惜しげもなく公開します!
それでは、第5回「スムーズな運用を可能にする方法」の始まりです!

 
第1回 KGI、KPI設定と全体への共有
第2回 徹底的なターゲット選定
第3回 ターゲットが心の底から欲しがる情報を見極める
第4回 コンテンツ作成のチーム作りと方法
 

投稿を毎日行うためには

前々回にご紹介しましたが4つの基本企画の中に、作業が軽いコンテンツと重たいコンテンツを混ぜておくことをお勧めしました。これは毎日更新するためのテクニックになります。クオリティーの高い投稿を毎日おこなえたらいいのですが、それではリソースがいくらあっても足りません。
 

軽い企画=「日常投稿」の運用方法(運用者責任)

「日常投稿」と弊社では呼んでいます。運営者、又はアカウントで設定したキャラクターが日々のことをつぶやきます。天候のことや業界のトレンド、又は本当にパーソナルなことです。(最近あったのは自転車がパンクした、といったものでした笑)
 
「日常投稿」で気を付けたいことは3点です。
 
●できるだけ運用者の主体を認める
気軽な投稿になりますのでこれを一つ一つ精査していると、日が暮れてしまいます。あまりにも生産的でない。
SNSは媒体によって変化しますが、基本的にタイムリーな情報を発信する媒体です。よってユーザーも一つ一つの投稿をじっくり見ているのではなく、興味のあるアンテナに引っかかった情報をだけを取捨選択して読んでいます。
 
「日常投稿」はできるだけ運用者の主体を認めて運用をすることをお勧めします。
弊社ではチェックを最低限に抑えるため、“投稿予定シート”を制作し共有することで管理者がチェックしています。
ここでは文言の一つ一つを精査することはしていません。この方法でまだ炎上アカウントは出ておりません笑
 
●クラウドストレージやチャットなどデジタルツールを活用
作業全般の話なのですが、特に日常投稿などではスピードを求めるので“投稿予定シート”をクラウドに上げていつでも最新情報が見れるようにしております。弊社ではdropboxからGoogleドライブに移行して、作業環境を整えております。
クライアント、外部パートナーにも閲覧権限を別けて共有できるので非常に便利です。
 
変更をおこった場合はチャットで連絡を入れます。
リアルタイムに変化する作業にメールでは遅く、過去設定の情報を投稿してしまう可能性があるからです。
 
このようにデジタルツールを使いこなすことが意思の疎通を加速させ、正確で有効な投稿が可能になります。

dropbox business 

 
G Suite(Gスイーツ)

 
●“投稿予定シート”を活用
「日常投稿」の基本情報となるシートをフル活用します。
投稿一週間前など、決められた日程にシートを運用担当者が記入します。一週間分などまとまった投稿案を一気に制作しましょう。生産性が高くなります!
 
チャットでシートの更新を関係者に連絡します。ディレクター、クライアントは投稿案をざっと確認します。
ここで確認するのは差別的な表現や主観が行き過ぎているものなどの極度に偏っている表現だけです。
歴史背景や細かな文言のチェックは原則おこなわないでください。運用者が疲弊してSNSが面白くなくなります。
 
チェックが終わりましたらツールを使って更新をしていきます。
弊社ではフクロウがトレードマークのhootsuite(フートスイート)というツールを活用しております。
使い方に関しては記事制作中です!
 
予約機能がついているので便利です。“投稿予約シート”に沿って投稿を予約していきます。
ユーザーによって権限が別けられますのでディレクター(管理権限)、運用者(投稿権限)、クライアント(閲覧権限)と別けてツールを常時管理できるようにしておくことも可能です。
 
天候や急な災害などあった場合はスクリプトを“投稿予定シート”に準備しておき、運用者がリアルタイムで投稿する形を追っております。
 
hootsuite(フートスイート)
hootsuite(フートスイート)
 

重い企画=企画投稿の運用方法(ディレクター責任)

弊社では日常投稿に対してこの重たい投稿を「企画投稿」と呼んでいます。インタビューやクオリティーの高い記事、ユーザー参加型のキャンペーンなどは複数人が制作に関わる場合も多く、日常での投稿には適しておりません。ディレクターがしっかりとスケジュール管理、クオリティーチェックをおこない制作、投稿をしていきます。
 
●誰が、いつまでに、何を、どうおこなうか
仕事の基本、ですが出来ていない事が見受けられるのでチェックが必要です。
作業量が多い=重たい企画は社内でのブレスト、パートナー企業への依頼、クオリティーチェック、クライアントチェック、修正と多くの作業項目が積み重なります。
 
ディレクターは最低限以下のことを決めて投稿準備を進めなくてはいけません。

  • 担当者は誰か
  • 納期、投稿の予定日は決まっているか
  • どのような投稿を想定しているか
  • 外部に依頼をだすか、それとも社内でおこなえるか
  • 共有、確認のツールは整っているか

 
弊社では投稿カレンダーを制作し、全体のスケジュール感を社内、外部パートナー、クライアントに明確に提示しております。関係者全員がスケジュール感を知っていることが納期を守る重要なキーになります。
 
●まずは自社リソースで小さく始める
お勧めするのはまずは自社で手作りでおこなうことです。インタビューであればロイヤリティーの高いお客さまに依頼する、自社製品を使っている知り合いにお願いする、SNSを運用しているのであればインタビューに応じてもらえる方を募集をする。
ビジュアル化するのは難しいかと思います。ここは内部デザイナー、外部パートナーにお願いして最低限のものを作ってもらいましょう。
 
作業の手順や難しさ、ポイントなどを自社のノウハウとして持っておくと、協力パートナーへの依頼方法やクオリティー管理に大きく貢献できます。知らない、といことは弱点になることがあります。
設定したKPIに投稿による影響が見えてきたら、外部リソースを頼りましょう。
 
 

定例会で企画をバージョンアップ

チーム内での日々のコミュニケーションはツールを使う事が重要だと上記で説明しましたが、顔を合わせた定例ミーティングを開催することも重要です。もちろんWEB会議などでもいいと思います。
メンバー全員がKPI達成のために忌憚のない意見を交わせる“場”がとても重要になります。
 
定例会での内容は

  • 数値の進捗サマリー(事前に共有)
  • 試みの良かった点を報告・数値確認
  • 問題点の報告・数値確認
  • アクション・納期の決定

をベースに行います。
 
数値の確認会にするわけにはいかないので事前に各種数値、成果が上がった点・問題点のピックアップを共有し、全員が意見を準備して望むことが必要です。
デイリーで作業をおこなっている担当者やディレクターは数値の把握はしているのですが、マネジメント側の人間は数値の認識が弱いことがあります。反対に担当者が全体の目標値を理解していない場合もあります。
 
定例会の中では極力ポジティブな面での話を先にしましょう。
どうしても会議となると問題点に焦点が当たってしまいますが、それはデイリーでの対応が完了しているものがほとんどです。問題点は横展開することで同じことが発生しないようにするために“対策報告ベース”で話すことで十分です。
最も重要なのはユーザーが何に興味を持っているのか、思いがけない成功、可能性を共有しアイディアを出し合うことです。
 
ネガティブよりもポジティブな情報を持ち寄った方が仕事も楽しくなりますね!
 
定例会の設定も月初での開催をお勧めします。
もう少し力を入れるのであれば、週の頭がいいです。
可能性を見つけ、実行し、数値が出る、共有し全体理解にする。
このサイクルにフィットした定例会を開催しましょう。
 
古典ですがドラッカーも会議についてポジティブな“機会”に焦点を当てろ、と言っております。 

 
 

KPIの数値が唯一のルール

デイリーでもマンスリーでも議題の中心にいるのはKPIです。
数値で話さなければ、各アクションの評価ができません。時間は有限です。
誰が、何を、いつまでにするかを数値で判断してリソースを振り分けましょう。

KPIは日報で共有
弊社ではKPIを日報(メール)で全体に報告するようにしています。
「案件名」「目標数字」「実際の現在の数値」と「差異」を計算式にまとめて報告します。
日々、KPIを意識し、達成までの道のりを確認するためです。
また、毎日アカウントを巡回することで、複数のアカウントを管理するスタッフも現状をしっかりと把握できるようになります。
 

数値が伸び悩む、デイリーで数値が動かない、根本的にKGIとKPIがつながっていないなど、KPIの設計が甘い場合もあります。KPIの変更は一定期間を置いて観察、分析をした後でおこないましょう。デイリーで動いている別の数値を確認し、KGIの進捗もチェックしましょう。
 
 

まとめ

日常投稿でのすばやい意思決定をデジタルツールを活用しおこなう。企画投稿では質の高いコンテンツを制作するためにコミュニケーションが必要になる。両極端な施策をSNSマーケティングではまわす必要がありますが、作業の切り分けができていればそれほど難しくはないと思います。
 
また、KPIの変更には慎重さが必要になります。分析と仮説作りをしっかりとして変更しましょう!