UBERに学ぶ”リボンモデル”の成長戦略とバランス

プラットフォームビジネスの考え方のひとつに”リボンモデル”というものがあります。

ビジネスモデルを需要と供給、カスタマーとクライアントを両端とするリボンに見立て、それらをどのように「集め」「動かし」「結びつけるか」を考察するものです。

プラットフォームサービスをモデル図式するときや、自社ですでに動かしているプロジェクトをあてはめ、必要なアクションやウィークポイントのあぶり出しに使われます。

これだけでは分かりにくいので、実際のビジネスを当てはめてみましょう。
有名なものでは、UBERがこのモデルにフィットする例として挙げられやすいようです。
UBERの場合、カスタマー側にはお金を払う「乗客」、クライアント側には配車を提供してくれる「運転手」が該当します。
当然、どちらも欠けてはビジネスが成立しない要素です。

左右対称となるリボンモデルにおいて、重要性は両端ともに同じ。本来的に優先順位をつけるものではありません。
しかし、それはあくまで机上のお話。
実際のビジネスにおいては、常に両端が等しいなどということはあり得ませんし、どちらかに優先順位を設定しなければならないこともあります。

例えば、あなたがUBERよりも先にこういった配車ビジネスを思いついたとするなら、乗客側と運転手側、どちらを先に集めるでしょうか?

模範的な回答としては、供給側となる「運転手」を先に集めるのがよいとされています。

先に集めるのが「乗客」側の場合、仮に集まったとしても提供できるサービスが整っていないなら、満足を与えることができず機会損失になってしまう。というのが理由です。

リボンモデルの難しいところの一つには、その両端の「バランス」があります。
需要だけでも供給だけでも、ビジネスが成り立たないというわけですね。

もう一つの難しさにはその両端を結びつける「マッチング」があります。

需要に対し、本当に満足のいく提供がなされているか。
また、供給側は顧客やサービス待遇面への困難・不満をもっていないか。

先に例として挙げたUBERでは、ドライバー側ではなく「乗客側」をスコアリングし、ブラックリスト入りした客は乗車させないという措置をとることで、ドライバーの満足度向上と、「サービス全体の質」の向上を図りました。

こうして万難を排したからこそ、UBERは赤字をだしながらも成長を続け、年数十億ドルという巨額の売り上げを出すに至ったのです。
(もっとも、その後はライバル企業の台頭や経営陣の大量辞任で苦戦の様相ですが。。。)

こうしたモデル図で、自社サービスなどを振り返ってみることも時には重要です。あなたの企業のリボンは、いまどのような状態でしょうか?