難しい事を考えなくてOK!その手があったか、カスタマージャーニーマップの楽して効果的な作り方!
マーケティング業界では広く知れ渡っているカスタマージャーニーマップ。
しかし、まだ一般の経営層やWEB担当者には浸透していないと日々の仕事で感じています。
打ち合わせしていると、「聞いたことがある」「やらなくちゃね~」なんて話になるのですが、いっこうに重い腰が上がらない。
大きなインパクトが得られるマーケティングツールなのですが、活用されていない理由はなぜでしょうか?
カスタマージャーニーマップの基礎から、なぜ使われないのかを掘り下げていきたいと思います。
目次
カスタマージャーニーマップって何に使うの?
カスタマージャーニーマップとは、新規サービスの立ち上げや既存商品に対するお客さんの「行動」、「接点」、「心理」を時系列に見える化したものです。
例えば、TVCMでサービスを認知し、WEBで販売店舗を調べて、店頭で店員さんに聞き、そして購入にいたる。購入した後でSNSに投稿し、友達にも勧める。
かなり雑ではありますが上記のように、購入にいたるまでの流れ、購入した後での行動、そしてそこに感情や接点、接触方法を細かく分析するツールが「カスタマージャーニーマップ」といわれます。
お客さんの事を良く知れば、お客さんに合わせたサービスや商品ができて、顧客満足度も上がり、口コミをしてもらう方法を加速できる、という寸法です。
販促、ブランディングといった対外的な面だけでなく、組織内部の共通認識を作ることも可能になります。
「お客さん」という言葉ではなく、自社のお客さんとはこういう人だ、と詳細に描写することで営業や商品作りにも大きな影響を与えます。
このように、企業がマーケティングを展開する上で指針となる、非常に重要なカスタマージャーニーマップの作成ですが、どうしても敬遠されがちです。
大手企業だけのハイレベルな考えではなく、中小の企業こそが競争力を高めるために顧客を理解する、このことに真剣に取り組まなければいけない時代です。
顧客目線でなければサービス改善のスピードが上がらない!
プロダクトアウトの巨匠は数えるほど
顧客目線の商品開発や改善をマーケットインといいます。
反対に、専門家が一般の人にはニーズ(要求)さえ無かったものを発売するのがプロダクトアウトといいます。
プロダクトアウトの代表格として上げられるのが“iPhone”です。
ボタン方式が全般だった時代に、フラットなタッチパネルで電話がかけられて、インターネットが手元で閲覧できる、簡単に音楽だって聞けちゃう。
誰も予想していなかった商品をスティーブ・ジョブスだけが気づき、商品化した、と考えられています。
しかし、良く考えるとプロダクトアウトでのヒット商品で業界を席巻するほどの商品、サービスとはどれくらい巷にあるのでしょうか?
自分でもぱっと思い浮かぶのは、「ウォークマン」、「ディズニーランド」と「iPhone」くらいなものです。
一つ一つが業界を作ったくらいインパクトがありますがこれだけです。御社の製品がこの中に入れるでしょうか?
商品、サービスの飽和した社会では効果的な“改善”が一番の武器に
つまり、一発狙った大きな賭けでなく、小さな改善を積み重ねる、そのことが一番の武器になるのではないでしょうか。
その第一歩が顧客を積極的に理解し、効率的な改善を重ねることです。
例えば、商品の改善に向けてのアクションも
・商品企画部の専門家が会議室のテーブルでデータを寄せ集めてうんうん検討する
のか
・顧客の思考、行動をしっかりとわかった上で、マーケターが顧客に実際の使い心地や使用感をヒアリングして改善
していくのか。
どうでしょう。
どちらの方法がより効率的にお客さんに喜ばれるか、考えるだけでもわかりますね。
この簡単な一例を取っただけでも、雲泥の差でヒットを量産できるシステムが隠されていると思います。
カスタマージャーニーマップを作るのにどんな作業が必要?
さて、顧客を理解し、お客さんの不満、欲求、不便さ、イライラに焦点を合わせた、マーケティング思考をしていくことが非常に重要だとはわかってもらったでしょうか?
そんな顧客の思考を具現化してくれるのがカスタマージャーニーマップです。
では、どうやってマップを作っていくのか見てみましょう。
- ①ペルソナを作成する(思い)→ペルソナシートサンプルへ
- ②KGI、KPIを考える
- ③自社商品、サービスに対して顧客がアクションする時系列を考える
- ④時間軸に沿って顧客のアクション、思考をマッピングする
- ⑤アクション、思考を可視化したら感情を入れる
- ⑥改善点を炙り出す(顧客にテンションが上がる部分を強化、下がる部分をそこ上げ)
- ⑦インパクトの大きな改善施策をチョイスし実施
書いててわかりましたね…。
何で進まないか…。
え~、超高度です。
いきなり「さ~やりましょう!」と言われて、すぐにできるものではありません。。。
しかもマップ作りは一人ではあまりインパクトがありません。
同じような環境にいる人間(同僚や上司、部下、知人など)が一緒に制作するからこそ、ターゲットへ思考が深まり、様々な視点からのアクション想定や思考が繰り広げられることになります。
つまり、上記の7つの作業内容がすぐに理解できて、「自分の仕事に役に立つんだ!」と素直に言える人材が最低3人は必要ということです。
さらに、日本の企業ではよくある「意見が出ない」というのもマップ制作に関しては大きく影を落しているのだと思います。
マップ作りには活発な議論が必要です。年長者である上司と新卒のスタッフの意見は全く違って当たり前ですし、女性と男性、子育て世代と独身者の価値観も全く違います。ターゲットに合わせて思考していいくのですが、人間全員の価値観が違うのですから、マップ制作時には大きな声で議論をするべきなのです。しかし、年長者の意見が往々にして通ってしまう組織では、マップ制作はインパクトが全く生まれません。
従来の通りに作業を進めるだけでのすので効率の悪い改善が続くわけです。。
これでは進みませんね。。。。
カスタマージャーニーマップの作り方は沢山WEBにありますし、重要と叫ばれておりますが実際にやってみた画像などが少ないわけです。
もっと簡単に効果的なカスタマージャーニーマップを作れないか?
答えは顧客が知っている!
そこで考えたのが、お客さんが全てを知っている、ということでした。
カスタマージャーニーは企業の担当者が仮説を作り、顧客に合わせた施策を実施、検証していくプロセスの一部です。
仮説ですので当たる可能性はありますが、やはり外れることの方が多くなります。
しかし、実際に購入をしているお客さんは全て知っています。
競合他社製品や自社製品、良いところ、悪いところ、何で購入しているのか、全てです!
仮説を立てる必要なんて必要ありません!時間の無駄です!
さっさとお客さんと話をしてしまうこと、それが一番効率的な改善、市場調査になります!
企業がやらなくてはいけないのは、持ち寄った顧客の意見から何を一番最初に改善するか、又は何を新たに作り出すか、を専門性の高いチームで話し合いブラッシュアップしていくだけです!
つまり、カスタマージャーニーマップを直接お客さんに書いてもらうこと、これに尽きます!
弊社では約9,000名のママさんから経験者に手を上げてらい、その方と決められたルールに則ってヒアリングをおこないます。
その際に活用しているのがカスタマージャーニーマップです!本物の顧客に購入までの道のりを聞きますのでリアルです!
改めて顧客に順を追って聞くと、見落としていた話題やチャンスがいっぱいあります。
・子供連れで行く旅行には調査をじっくりとかける。「お子様OK」の文字があるだけで選考候補に入るが、無いと対象外に
・詰め替えパックの小(携帯用)、大(お徳用)はあるが中サイズ(一人で使う用)が無いのが困る
・お菓子の情報をネットで検索はしないけれど、好きなジャンルのお菓子(チョコミント)に限っては新作を買うためSNSをフォローしている。
などなどなど
社内でいくら仮説を立てても絶対に出てこない意見が、一回のフォーカスグループを開催するだけで10個は出てきます!
改善アイディア、市場調査の格好の場所です!
まとめ
マーケティング担当者や経営者が、頭と手をフル活動して制作するカスタマージャーニーマップは、今の組織にはハイレベルで根付かないものなのかもしれません。
しかし、組織の全ての人間が外部であり、実際のお客さんの意見なら素直に聞けるはずです。
外からの意見を体系立ててヒアリングし、マップに落し込み事で顧客理解が進み、新しい発想が可能になります。
是非、カスタマージャーニーマップの新しい制作方法を試してください!
弊社でもサポートしております。