ユーザーボイスの収集はカンタンなんかじゃないですよ
お客様の声、ユーザーボイス、VoC…さまざまな呼ばれ方をしますが、これらは全て同じものを指しています。
すなわち、「消費側の意見」というもので、商品開発者・提供者にとってはとても重要なものです。
これら消費側の意見を汲み取り、昇華し、サービス・商品として提供するというのがいわゆるマーケットインという考え方になるのですが、その「意見を汲み取り」というのが実は非常に困難というお話です。
ある食器メーカーがヒット商品を生み出したいと考え主婦を集めてフォーカスグループ(意見交換会)を行ったところ、様々なお皿がある中から「黒くて四角いお皿」が最も人気が高かった。
そして結果も出たためフォーカスグループは終了し、最後に「記念に見て頂いたお皿の中から一つ差し上げます」と言ったところ、参加した主婦は全員「白くて丸いお皿」を選んだそうです。
理由を聞くと、「食器棚に入れやすいから」「他のお皿と合わせやすい」など様々でしたが、結果的にその食器メーカーは白くて丸いお皿をヒットさせたとか。
そして結果も出たためフォーカスグループは終了し、最後に「記念に見て頂いたお皿の中から一つ差し上げます」と言ったところ、参加した主婦は全員「白くて丸いお皿」を選んだそうです。
理由を聞くと、「食器棚に入れやすいから」「他のお皿と合わせやすい」など様々でしたが、結果的にその食器メーカーは白くて丸いお皿をヒットさせたとか。
この話はミニマルな寓話めいてマーケットイン戦略とヒアリングの困難さを象徴しているお話だと考えています。
私が目にしたのはこちらの記事でした。
アンケートや意見交換によって出てくる、対外的な評価を気にした回答と、実際のアクションとは大きな乖離があるにもかかわらず、回答者自身の中にはそれらの回答は矛盾なく両立している。つまり双方とも意見として正しいのです。
アンケートやフォーカスグループの作成・設計はこうした事象を常に考えなくてはいけません。
「目的に合った適切な質問を作成する」という一見カンタンそうなことが、実は社会学、心理学、行動学に即した、とてもスキルフルなことだったりするのです。
弊社で実施するフォーカスグループは、ユーザーの豊富な回答をもとに社内で知見を蓄積し、実践に即して日々磨かれていますので、ユーザーの意見を「正しく」読み取り、吸い上げ、ノイズを除去して提供できると自負しております。